江戸東京博物館に「五百羅漢〜狩野一信〜」
展を観に行きました。
昨年放送された、NHK-BSでの特集番組が
印象深く、「これはぜひ一度実物を観なくては」
と思っていました。
この作品群の肝は、いわゆる画家が
人生を賭して描いた絵の魅力、と思います。
狩野一信の絵は、酒井抱一から受けるような
洗練された美や上品さなどは感じられず、
劇画の原点かと思う作風で、一幅一幅がまるで
羅漢達が主人公の連載漫画のようでしたが、
あの絵を描き上げるのに必要なエネルギーは
中途半端な姿勢では絶対に捻出不可能なことが
(実物からは)ひしひしと伝わってきました。
絵だけに専念し、96幅を描き終えた頃に病を
患い、40代後半の若さで亡くなるまで、人生の
ほとんどを「羅漢図」の制作に費やすという、
自分のすべてを注いで描いたとわかる
絵の実感が生み出す迫力に圧倒されました。 |
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